[ti:] [ar:] [al:] [00:00.20]「あっ。。。」 [00:03.61]ふと目を覚ますと、見知らぬ部屋の中にいた。 [00:09.19]ついさっきまでバーで飲んでいたはずなのに、と考えながら辺りを見回すと、 [00:16.39]なんだか薄暗い倉庫の中のように思えた。 [00:22.60]「ここは。。。」 [00:26.17]なんで自分はこんな所にいるんだろうと首を傾げていたら、ふいに「ご注文は?」という子供の声が聞こえた。 [00:38.60]はっとして前を見たら、大机があって、その向こうにまだ小学生くらいの女の子がいた。 [00:48.22]少女はまた、「ご注文は?」と繰り返した。 [00:55.34]「注文?一体ここはどこなんだ?何を売ってるんだ?」 [01:03.23]怪訝そうにしている僕に、少女は「ここは不思議工房よ、幸せを売っているの」と答えた。 [01:15.51]「不思議工房?幸せ?そんな物どうやって売ってるんだ?」 [01:24.41]少女は紙と鉛筆を差し出し、それに願いを書けという。 [01:31.86]「願い?そんなもの、今の俺にはねえよ。」 [01:39.89]そう言うと少女は「じゃあ、お帰りなさい」と冷めた声で言った。 [01:48.70]すると僕の意識はまた急に遠のいた。 [01:59.12]はっとして顔を上げると、そこは今まで飲んでいたバーのカウンターだった。 [02:06.99]なんだか呆気にとられた気分だった。 [02:11.39]いつの間にか眠ってしまったらしい。 [02:16.08]「チっ、つまらない夢を見ちまったな。」 [02:21.82]もう今日は帰って寝ようと思い、バーを出たところで通行人の肩にぶつかった。 [02:29.86]そしらぬふりして通り過ぎようとしたそいつに、俺は言った。 [02:35.80]「おい、挨拶なしかよ。」 [02:40.50]そして、あの事件が起こった。