詰まらない人の仲間入りをして もう何年経っただろう 眼に動いた雲の色 明日の予定を追い掛けるだけで 寂しいな、なんとなく 胸に萎(しぼ)んだ花の色 ここにある見えることのない 充たした黒に透明な金剛石(ダイヤモンド) 簡単な罠に導かれて 今夜、君を誘うよ 愛のない営みへ 未(ま)だ甘い肌に刻んだ赤 馬鹿な冗談言わないで なんて甘い唇に捻(ね)じ込んだ嘘 他愛もない 哀しいことだけを袋詰めにして 何処まで持っていこう 眉を顰(ひそ)めた人の音 期待して、静かな交差点 似た声にまた振り向いた 見覚えのない髪型に 自棄(やけ)になるばかり 影もない幻想(まぼろし)に 穢れた泥だらけの愛を 切り離して認めた深い傷を 隠して苦い蜜を吸った 仕様もない お決まりの叙情詩(バラード)を 繰り返し聴いて泣いても 何もない時間は変わりやしない 明日も同じ景色、きっと 阿呆(あほ)らしい