[00:32.88]竝(並)んだ 鳥かごは 暮六つ [00:37.87]月の 見えぬ夜も 艶やかに [00:42.84]止まぬ霧雨 ぽつり、ぽつりと [00:47.81]傘の下 二人 [00:50.59]惹かれあへば [00:52.72]やがて 舞ひ散るは 雪となり [00:57.31]重ねた 右手 左手 [01:02.43]互ひ 温もり 分け合ふだけ [01:07.50]でも 唯々 唯々 [01:08.93]愛しくて [01:12.38]巡り巡る 浮世すべてを [01:16.89]白く 塗りつぶした この夜に [01:21.90]「どうかどうかまだ行かないで 」 [01:26.86]冬の暖かさを 感じてった [01:41.83]花は 降り續(続)ける 知らん顔 [01:46.74]それでも いつかは 終はるもの [01:51.91]交はすくちづけは 假初めでも [01:56.39]二人 その意味 確かめあった [02:01.07]鈍く響く鐘 明六つ [02:05.95]隙間覗くは 雪椿 [02:10.89]别れ際 強がり笑った [02:15.93]でも涙隠せなくて [02:20.90]「 いつか二人また出會(会)ふでせう [02:25.88]息も凍るこんな雪の日に [02:30.41]だからどうかもう泣かないで 」 [02:35.69]小指その温もり 預けた [02:40.48]一つ一つ過ぎゆく刻が [02:45.12]繋いだ手ほどいてゆく [03:09.89]どうかどうかまだ行かないで [03:14.75]若しも夢ならまだ醒めないで [03:19.82]遠く遠く 思ひを馳せて [03:24.64]紅く 咲き誇るは 戀(恋)心 [03:29.71]永遠に永遠に凍てつかぬやうに [03:34.60]今は 雪融けを 待ちわびて