何かが欠(か)けている それとも多(おお)すぎる とけあう夢など とうに諦めた 誰もが隔(へだ)てなく 見上げる青い空 木々のきらめきや 小鳥(ことり)の歌声 胸にホツりとあいた風穴(かざあな)は そう 友情(ゆうじょう)だけでは埋(う)められやしない だけど私たちは 出会ってしまった 鏡を見るように重(かさ)なる魂(たまし) 舞(ま)い散(ち)る桜 振(ふ)り向(む)けばいつでも 姿がそこにある 見つめあわずとも 語(かた)りあわずとも 長い旅路(たびじ)で同じ木陰(こかげ)に休む 言葉も通(かよ)わぬ者たちのように いずれまた別れて 旅立つ日が来ると 知っていても 私たちは手をのばす 揺れるロザリオ 限りある日々を ただ一緒に歩く それだけでも 私たちは満(み)ち足(た)りる 片手(かたて)だけつないで 残りの手は無限(むげん) そう選んだ 私たちは手をのばす まぶしい未来