人を惑わす円に吸い込まれ 瞳が揺れる かくも数奇な縁に翻弄され抗う中で 逃げ出した それは遠く遠く 地の果てまで 何時、誰が、何を目論む 考えるだけでも気が遠く遠くなるような日々 誰の為に黙祷 天と地の差 一より百よりも千よりもまだ上 切りが無くも  でもきっと明日は見違える 信仰にも似た気持ちが何かを変える 気配無くなる かつての人通りも獣道になる一通り 何処かから聴こえてくるあの歌といずれはまた同じ様に 終わることのない物語を書き残す 誰一人見ることもない 時を超えこの声が届くのなら今を切り取る筆の動きもまた 瞬く間を切り取り また一つずつ積み上げる 佇む一人一人 何を思う遠い地にて 雲間から射す怪しげな光 伸ばしたこの手が届くのなら 開けては翳り隠れるかつての居場所を見上げる檻の中 人を待たず流るる如し 何をもたらす 視線は何処 頭を垂らす 誰かがまだ追いかける いつもの影が少しだけ欠ける 大掛かりな逃亡劇 既にどうこう出来る段階は過ぎている 精神も擦り減る  現れた密室空間を通過していったのは一体 誰一人予想だにしない密会 日が昇らないことはない さも当たり前だが 小説よりも奇なりとはよく言ったものだ 気が遠くなる程に耐え忍び今がある さぁさ後ろの正面は誰 今分かる 惑わされ隠されたモノ達を繋ぎ合わせる 何も知らず 誰かが真実を告げるまでは 所詮住めば都 どちらに転ぶ吉凶 肝試しもまたそれはそれで一興  あらゆる事を想定していた故に驚き 今現状は夢幻 いくら手を伸ばせども過去には届かない これは数多ある中の一つの物語 人を惑わす円も元通り さぁ吸い込まれていく幻想の中 見上げることも無く いつかの日は昇り暮れる 下を見ることも無く 今は前だけを見つめ 人を惑わす円に吸い込まれ 瞳が揺れる かくも数奇な縁に翻弄され抗う中で