狂い咲いた月の花 不意に目覚めた夜に 淡く霞むその影は 今はもう胸の奥 遥か遠く臨んだ世界へと 時を廻る螺旋の果てに 届かない想いならば せめてこの手で壊して 嗚呼 振り返す痛みを引き連れ叫ぶ この空に満ちてく幻 涙に濡れるその瞳 美しく煌めく いつか遠るこの流転の業に 爛れ続く心は沈みゆく 目の前に広がる景色さえ 滲んで消えてく夢の中で 手繰り寄せる幾千の眠りと 鮮やかに散る花びらを抱き 叶わない願いならば どうかその手を離して 嗚呼 微笑みに染まる記憶の彼方で 閉じ込めた苦患に暮れる 届かない想いならば せめてこの手で壊して 嗚呼 溢れ出す愛しさに溺れて 戻れないあの日と引き換えに 差し出そうこの魂 儚さに揺れる