嫌気がさすくらいの鈍色の空へと 伸ばした右手は虚空を掴んだ 世界を羨んだこの世の片隅で 彼女だけが私を見つけてくれた 凛とした唄声だけが響いてる いつもいつまでも 無くした心を塗りつぶすように 私は唄を返す 当たり前を受け入れて 沈んでたはずの 私の心すら満たされて この世界の端っこだとしても 確かにつながっていたんだ あれからどれくらいの時が経ったとしても すぐに思い出せる あれは一目惚れだろう 「今度もここで会いましょう」なんて事のない約束 でもそれが私を前に進ませていたんだ 出会いは一期一会なんだろう それでも それでも 今度会う時は少しだけでも 強い私でいたくて 世の中は広すぎて見渡せないけど 手の届く距離が私の世界だわ 次に会えた時はきっと笑い返せるから 気まぐれに唄でも交わす その日を楽しみにしてる あの日を懐かしんで 少し色づいた記憶 虚ろに笑う姿 忘れてしまったの? 憶えていなくていい 覚えきれて無くてもいい 私と貴方がいる それだけは確かなんだ ほら 嗚呼 あの頃を 取り戻せなくて 取り返せなくて 上手く思い出せず私は泣いていた 始まった場所で終わりを迎える 命はとても尊くて 二人で見上げた青空は 何も遮るものが無くて 私たちは最後までこの唄をうたう 私もいつの日か 記憶が霞むのだろう 大切な貴女の顔も唄も全て 忘れてしまうまで覚えていよう