第二章 牢籠(オリ) 【ヒーア イスト アイネ ドゥンクレ グレンツェローゼ ツェレ】 【ヒーア イスト アイネ エーヴィゲ ヘレ】 【イン デア グロセス フェーゲフォイアー ブ レント】 「神(かみ)よ お願(ねが)い 救(すく)いを」 「終(お)わらない戦(たたか)い」 「その中(なか)に何(なに)が生(う)まれるのですか?」 淡(あわ)くて白(しろ)い陽炎(かげろう) 水平線(すいへいせん)へと堕(お)ち込(こ)む 何色(なにいろ)染(そ)まった夜空(よぞら) 揺(ゆ)れる赤(あか)い月影(つきかげ) 純潔(じゅんけつ)な石榴色(ひいいろ)の子(こ)よ 絡(から)み合(あ)う嘆(なげ)きに潜(ひそ)む 残(のこ)された脆(もろ)く蝕(むしば)む月(つき) 零(こぼ)れる無情(むじょう)の真実(リアル)だけ 「ソラーダスラ、ラム」 「空(そら)を仰(あお)ぎ」 「そこには何(なに)もなかったでしょう?」 【道(みち)を見(み)ろ】 【自分(じぶん)に選(えら)ばれた道(みち)を】 【貫(つらぬ)いたほうが良(い)いじゃないか】 「神(かみ)よ、私(わたし)は知(し)りたい」 「死(し)ぬまでの尽(つ)きには」 「いったい何(なに)があるのですか」 無邪気(むじゃき)の微笑(ほほえ)み消(き)えた刻(とき) 孤独(こどく)が届(とど)かぬ指先(ゆびさき)は “約束(やくそく)して、契約(けいやく)しよう” 誰(だれ)かが甘(あま)く囁(ささや)きを 闇纏(やみまと)う繭(まゆ) 月(つき)に抱(だ)かれ 彷徨(さまよ)うココロは何処(どこ)へ 嘲笑(あざわら)う声(こえ)が響(ひび)く 柔(やわ)らかな瞳(ひとみ)の中(なか) 悲(かな)しみを覆(おお)う 切(せつ)ないものもう亡(な)くなった 生(い)きている傀儡(にんぎょう)のように 腐食(ふしょく)された冷(つめ)たい身(み)は 醜(みにく)き傷跡(きずあと)が消(き)えない 「それは檻(おり)か、それとも偽(か)りなのか?」 【自分(じぶん)で味(あじ)わうがいい】 【われからの答(こたえ)はここまでだ】 「神(かみ)よ、私(わたし)は」 「まだ希望(きぼう)を捨(す)てたりはしない」 「ならば、この地獄(じごく)で、この檻(おり)から」 「この偽(か)りから、私(わたし)は、決(けっ)して!」 切(き)り裂(さ)いた赤染(あかそ)まる空(そら) 秘密(ひみつ)は月(つき)に囲(かこ)まれる 彼女(かのじょ)の震(ふる)える体(からだ) 傍(そば)に奈落(じごく)の源(はじまり) 生死(せいし)と輪廻(りんね)の物語(ものがたり) 目(め)を開(あ)けて届(とど)け闇(やみ) 此処(ここ)はただ原初(げんしょ)の罪(つみ) 果(は)ての無(な)い檻(おり)の中(なか) 【愚(おろ)かな人間(にんげん)どもよ】 【我(われ)はカオス 我(われ)は無常(むじょう) 我(われ)こそ神(かみ)】 手(て)が鮮血(せんけつ)に濡(ぬ)れても 淡(あわ)い焔照(ほのおて)らしている ルールを失(うしな)った命(いのち)たち 再(ふたた)び巡(めぐ)り合(あ)うか 純潔(じゅんけつ)な石榴色(ひいいろ)の子(こ)よ 絡(から)み合(あ)う嘆(なげ)きに潜(ひそ)む 残(のこ)された脆(もろ)く蝕(むしば)む月(つき) 零(こぼ)れる残酷(ざんこく)の嘘(うそ)だけ 「あなたが終焉(ジ エンド)だとしたら」 「私(わたし)は、未来(ジ スタート)を見(み)つけよう」 「決(き)まっているわ!」 「生(い)きる限(かぎ)り、光(ひかり)がある限(かぎ)り」 「力(ちから)が無(な)くなるまで」