あれも これも それも どれも 皆 皆 知らん振り 夜半に気味の悪い 妖の声 尾が蛇 猿の顔 体は狢 そう 語り騙られかける 私の事を 噂は雲に変わり 広がる「尾鰭が付き 広がる」 人を守る飾り神 見ては見ぬ振り とうりゃんせ 人の朽ちる様見つめ カラカラカラ 笑う 拾う神に捨てる神 こっから先へ いかしゃんせ 紅い蕾 トクトクトクと花を咲かす 人よ一夜に 一人で外を歩く無かれ 人見頃と 妖 笑いを零す 不吉な声 姿は誰にも見せず 夜毎 襖越し 獲物を定める 此処も 其処も 何処も 誰も 彼も 人の 行方知らず 都を暴れ巡る 雷獣の声 尾が蛇 手足は虎 体は戌亥 そう 呪い呪いかける 私の呪詛を 薬や祈祷ですら 届かぬ「幻には届かない」 弓を担ぐ武士よ 噂相手にゃ とうりゃんせ 人の悔やむ様見つめ ケタケタケタ 笑う 狙う阿呆 射る阿呆 常世の道を いかしゃんせ 活けた竹に ハラハラハラハラ 花火が上がる 泣けよ鶯 泣かずば 首を払い落とすぞ 万の中 妖 羅城に住み着く 人も 犬も 猫も 鳥も  空も 街も 神が隠す 童の命生かし乞われ遂に壊れて 妖人の命称え貶し殺すもの 「崇らず 讃えず 生かさず 殺さず」 雨雲空を多く覆わ人の社を 人形鵺の命捕え狙い奪えずに「弔い 忘れた 無縁の墓にて」 空に笑う鶫の音 妖 纏う影「家を飛び出す粗忽者 狼藉する者 ゆるしゃせん」 寂れた風見鶏「人の逃げる様見つめ ケラケラケラ 笑う」 そう 辛い幸せ乗せて 私を運ぶ「逃げる人間 追う私 決して命は とりゃあせん」 其の姿はまるで 未確認「剥き身の声 未確認」 おどろおどろおどろ踊りましょう? おどろおどろおどろおどろしく 「絶えず 咲かず 朽ちず 枯れず」 壊れ 割れ 我 破れる 醒め 褪め 冷める 乞い 故意 恋 焦がれ 人の安否知らず 贈る 繰る 来る 狂え 占め 閉め 絞めろ 壱 人 他人 一人 鵺鳥に誘われ 闇夜に消える