流れは月にきらめき 憶(おも)いは波にゆらめく 恋しやあの人の胸  くるめく愛の接吻(くちづけ) 黒髪 匂いをこめて  唇 花より紅く 粧(よそお)いこらして待てど  あの人は来ない 遙かにひびく  太鼓の音は 涙をさそう  別難(わかれ)のしらベ 母なる順化(ユエ)の流れよ  愛をば守らせ給え 火を焚く祭りの夜に  燃え立つ切ない恋よ 梢に月はかたむき  崩れた城跡悲し 涙で星影消えて  あの人は来ない 愛しい人は  何故何故来ない わたしは独り  淋しく帰る 淋しく帰る  淋しく帰る