昔ぼくが優秀な軍隊の隊員だった時 月夜の晩にイルジアナで演習をした 隊長はぼくらに「河を步いて渡れ!」と言った ぼくらは膝まで泥まみれ だが隊長は言った「進め!」 「隊長あぶない引き返そう』と軍曹は言った 「行くんだ軍曹,俺は前にここを渡ったぞ ぬかるみだけど頑張って步き続けろ!」 僕らは腰まで泥まみれ だが隊長は言った「進め!」 「隊長こんな重装備ではだれも泳げません」 「そんな弱気でどうするか俺について来い 俺たちに必要なのは ちよっとした決心さ」 僕らは首まで泥まみれ だが隊長は言った「進め!」 月が消え溺れながらの叫びが聞こえた 隊長のへルメッ卜が水に浮かんだ 「今なら間に合う引き返そう』と軍曹が言った ぼくらは泥沼から抜け出して 隊長だけ死んでいった 裸になって水にもぐり 死体を見つけた 泥にまみれた隊長は きっと知らなかったのだ 前に渡ったよりもすっと深くなっていたのを ぼくらは泥沼から抜け出した「進め!』と言われたが これを間いて何を思うかはあなたの自由 あなたはこのまま静かに 生き続けたいだろう でも新聞読むたび蘇るのは あのときの気持ち 僕らは腰まで泥まみれ だが馬鹿は叫ぶ「進め!」 僕らは腰まで泥まみれ だが馬鹿は叫ぶ「進め!」 僕らは腰まで、首まで、やがてみんな泥まみれ だが馬鹿は叫ぶ「進め!」 [04:46.44