[00:00.00] 作曲 : コウ(Diarays) [00:00.334] 作词 : コウ(Diarays) [00:01.03]"母さんが生き返る。ナイト" [00:04.04]「実現したいことを書いたページに [00:05:00]その代償が浮かび上がるんだ。」 [00:06.08]「この日付までに必ず達成するんだ、 [00:07:12]いいかいメア。」 [00:08.87]「夢に出てきた百人を… [00:09.76]こんなもの本当に信じるの?」 [00:10.59]「この日記は本物だ。 [00:11.04]学校の女子生徒に書き込ませた。」 [00:12.62]「じゃあお兄ちゃんのその目も…」 [00:13.61]あの女はてっきり視力を失ったことが [00:14.52]代償となったと思っていたが違った。 [00:16.33]「そう、あの…」 [00:21.04]何故だ?名前が思い出せない。 [00:22.77]女子生徒?そもそも女だったか… [00:24.04]「大丈夫?お兄ちゃん…」 [00:25.59]その時、兄妹はまだ、 [00:27.84]日記の本当の力を知らなかった。 [00:29.72] [00:40.41]いないいない私がいない [00:42.80]夏、閉じ込められた静雑音 [00:45.38]痛い、聞こえやしない [00:47.82]忘れた生の回路切って [00:50.52]堕ちた偽愛の継承 [00:54.03]霞んだ憧憬を [00:55.50]最期に名前を呼びたいな [00:58.04]ページは破かれた [01:00.32] [01:00.63]そう、許されないことだって [01:03.83]あなたが"正"と言ったんだ [01:06.37]光の無い世界を僕らは征く [01:11.37]綺麗な手に宿る [01:14.06]汚れすぎた教育を [01:16.50]満たされたその日に [01:18.78]黒く濁る空は死んだ [01:21.14] [01:22.12]「何この写真…」 [01:24.68]「どうしたの?お母さん。」 [01:25.81]「知らない子が私たちと映ってるの。」 [01:27.84]「何言ってるのお兄ちゃんじゃない。」 [01:29.26]「メアこそ何を言ってるの?」 [01:30.68] [01:31.54]お母さんの戸籍を確認した時、 [01:32.20]役所の人はひどく混乱したけど、 [01:32.82]お兄ちゃんは違った。 [01:33.37] [01:34.08]"最初から兄などいなかった" [01:35.75]世界が狂っているのか、私が狂っているのか、 [01:36.92]わからなかった。 [01:37.54] [01:38.74]嫌い嫌いあなたが嫌い [01:40.93]冬、閉じ込められた風景画だって [01:45.33]今は記憶の温度 [01:48.57]ねぇ、壊れやすいものだって [01:51.83]あなたが"真"と言ったんだ [01:54.32]縛られた世界を僕らは解く [01:58.74]綺麗な瞳に宿る [02:01.89]怖れすぎた失明を [02:04.48]受け入れたその日に [02:06.77]少女は過ちに気付く [02:09.36] [02:11.24]1988年8月31日 [02:11.74]山奥の車道で青年が乗用車にはねられたが、 [02:12.20]一命を取り留める。 [02:12.76]ドライバーは事故当初"2人はねた"と供述 [02:13.27]していたが見つかっていない。 [02:13.68]2000年4月4日、しかしこの男性が妻の出産直前 [02:14.03]に原因不明の脳出血を来し死亡。 [02:14.48]2014年1月24日、女子高生が校内で首を締められ死亡。 [02:14.85]しかし当校の生徒ではなく身元がわかっていない。 [02:15.24]2014年4月18日、 [02:15.80]身元不明の青年が郊外の廃墟で自らの首を切り死亡。 [02:16.16]匿名の通報により発見される。 [02:16.56] [02:16.72]死んだ後みんな忘れられるんだ。 [02:17.47]この日記に書き込んだ人間、みんな。 [02:18.60] [02:19.00]お兄ちゃんはあの子を○したあと、 [02:19.60]実現したかったことを確認して [02:19.96]日記を取り返すつもりだったんだろう。 [02:20.37] [02:20.87]けれど"○されること自体"が彼女の望みだった。 [02:21.80] [02:22.71]効力以外の力で上書きが可能なら、 [02:23.42]あの日記は完璧じゃない。 [02:24.23] [02:25.14]私は絶対、 [02:26.61] [02:27.37]絶対にお兄ちゃんを忘れたくはない。 [02:28.03] [02:28.94]その最終列車が切り出した [02:31.38]まだ代替生存憂いても [02:33.77]悲しいほど世界は振り向かない [02:36.56]唯それだけのこと [02:39.15]再会の無い暗い脳内 [02:41.59]壊れかけた日記綴っても [02:43.93]悲しいほど世界は許さない [02:46.61]唯それだけなんだ [02:49.16] [02:49.36]愛を頂戴 [02:51.65]変わってく姿も [02:54.39]泣いて頂戴 [02:56.52]記憶の中には [02:59.35]後悔さえも咲いて消えて [03:01.44](確かにお母さんには会えた。) [03:01.75]少し痛い体を私と受け取って [03:04.18](けどこれは私の本当の幸せじゃない。) [03:05:00] [03:05.41]全てを終わらせるため、 [03:05.87]もう一度家族に会うため、 [03:06.47]メアは、最期の筆を取った。 [03:07.55] [03:08.00]「10年前に戻る。メア」 [03:08.67] [03:09.38]そう、許されない嘘だって [03:12.32](目の前に少し若いお母さんがいた。) [03:12.78]私が消してあげたいの [03:14.76]( 「お母さん、これに願い事を書いて欲しいの。名前もね。」) [03:15.26]愛された時間の [03:17.25]( 「あらとても古い本ね、いいわよ。」) [03:17.60]忘却だけは [03:19.13](それを見たメアの両眼から、雨が降った。) [03:19.59] [03:19.89]「メアとナイトがいつまでも仲良しでありますように。ダリーナ」 [03:20:20] [03:20.49]形の無いものだって [03:22.34](これでお兄ちゃんは私のことも、お母さんのことも忘れるだろう。) [03:22.60]価値も未来も無くたって [03:24.73]( けど、それでもいい。) [03:25.19]消えてしまうことなんて無いもの。 [03:28.37]馬鹿な兄を愛したこと。 [03:29.74] [03:29.95]10年後、母を忘れたナイトは日記に書き込むことはなかった。 [03:32.18]10年前に戻る代償として、10年後に消えるはずだったメアの存在は、 [03:34.62]ダリーナの筆によって上書きされた。 [03:37.15] [03:39.82]人は誰しも、死んだらきっといつか忘れられる。 [03:40.78]けど忘れられるより、今ここにある気持ちが消えてしまう方が悲しいでしょ? [03:42.27]大嫌いなお兄ちゃん。 [03:44.65] [03:52.16]「なんてね」 [03:55.27]「大好きなお兄ちゃん。」