寒露に降リ注ぐ 終を告げる金の雨 匂い立つ命の陰 見届ける 慈雨が迴リ 訪れる人 優しい声 待ち焦がれてた 撫子手析リ 口元に寄せて 愛あしく撫で 泡沫の恋に瞳閉じ 堕ちる 楓が降リ注ぐ 紅に染まる恋心 落日に溶ける腕 溶けあろ 森の静寂に鳴く 鶺鴒の囀リ 尾花揺らす 三つ数えたら 女郎花か開き 萩が息づく 寂々 花開く 終の先のささめごと 大地に抱がれて 色染まる律の調べ 夜風の摇リ籠で 濡れたまつ毛そっと臥せ 月観て新たな冬を 迎える