にげる… にげる わたし息(いき)をとめて ふれる… 消(き)え去(さ)る またね、さよなら その果実(かじつ)は 熟(う)れた色(いろ)になり したたるように甘(あま)い香(かお)り 誘(さそ)う にげる… にげる なんにもない世界(せかい)に 紅(あか)く… 飛(と)び散(ち)る ぼんやり、たたずむ イケナイ子(こ)と みんな指(ゆび)をさす 「手(て)の鳴(な)る方(ほう)へ ねえ明日(あした)はどちら?」 時間(じかん)が 鼓動(こどう)を止(と)める オネガイ…置(お)いて行(い)かないで 叫(さけ)びは 灰(はい)になってく 一瞬(いっしゅん) ほとばしる夢(ゆめ) 抱(だ)きしめて にげる にげる あなたやさしすぎる 急(いそ)ぐ 離(はな)れる ヌクモリが痛(いた)い 子(こ)どもたちの はしゃぐ声(こえ)を聞(き)く 「手(て)の鳴(な)る方(ほう)へ ねえ奇跡(きせき)はどちら?」 魔法(まほう)が 使(つか)えるのなら オネガイ…孤独(こどく)よ 消(き)えてよ 祈(いの)りは 届(とど)くのですね? 幾千(いくせん) 幾億(いくおく)の時(とき) 道連(みちづ)れに あなたが わたしに触(ふ)れる オネガイ…そんなに見(み)ないで 罪(つみ)なら 許(ゆる)されるなら これ以上(いじょう)「さよなら」を言(い)いたくないの ーーやさしい声(こえ)がする アリガト… ーーそうだね、夜(よる)は終焉(おわ)る