[00:45.812] 浅い眠りの奥に 女は甘い夢を見た [00:57.905] 水色の揺り椅子 遙か遠くを透かす氷の壁に囲まれて [01:09.708] 目が覚めたら儚い夢はやがて消えていくのだけど [01:21.856] [01:33.330] 水柱には葡萄の蔦が茂る [01:39.061] 紫色の果実を摘み取って透けた器へと [01:44.937] [01:45.446] 水柱には黄金虫が眠る [01:48.870] 飛び立っては時を告げ 退屈の始まり [01:58.966] [01:59.112] 一日の始まり [02:00.813] 女は男のために日々の糧を作り続ける [02:04.715] いつまでも変わらない草臥れた日常 [02:07.536] [02:07.898] ねむりたい ねむりたい 夢を見るの (金色の円盤が空から降りてくる) [02:13.339] [02:13.774] やすらかに やすらかに うつつを忘れて (紫に染まる山 たもとにあつい光) [02:18.956] [02:19.424] くたびれた いちにちの おわりがほしい (見目麗しい 青い若者が) [02:24.429] [02:24.651] おわらせて どうかどうか 夢でも良い (見た事もない世界を求めて) [02:30.010] [02:30.289] 手を伸ばした (望むままに) [02:33.817] [02:42.235] 時が満ちたなら男の帰りを迎えなくては [02:53.175] こちらを見ない人 もう悲しくもないのだけど [03:03.937] [03:04.235] 七夜過ぎたら青い目の人が来る [03:09.607] 眠り揺り椅子飛び降りて迎えに行きたい私は [03:15.893] [03:16.171] 七夜過ぎても同じ日々が繰り返す [03:20.506] 見知らぬ人の夢を見る 空の向こうのテレパシー [03:29.369] [03:29.583] 一日の終わりに [03:30.727] 夫は昨日と同じ気のないキスをくれる [03:33.935] 涸れた運河は満ちはしない 砂埃の星の上 [03:37.362] [03:37.497] ねむりたい ねむりたい 同じ夢で (初めて見る景色 赤の大気) [03:42.791] [03:42.920] やすらかに やすらかに 愛しい幻 (褐色の肌の女 迎えに来てくれた) [03:48.261] [03:48.412] こがれても こがれても 遙かの青は (これが夢でない ほんとうなら) [03:53.579] [03:53.709] とどくよう どうかどうか 目覚めは遠く (君に会うために 空を越えた) [03:59.197] [03:59.356] 赤の大地で (青い空を) [04:03.946] [04:09.230] [04:10.243] [04:13.379] 二つ空が暮れた時 男はきつく問いつめた [04:24.354] 氷の壁に銀に光る銃が掲げられた晩のこと [04:35.423] [04:35.570] また夢を見た 赤い夢 途絶えた幻 [04:42.284] 夢は夢だと男は言う そうね触れた事もない手 [04:52.179] [04:52.332] 七夜目の夢はぐらり倒れるあの人のこと [04:57.854] ゆらり揺り椅子軋む音 金の光は目覚めの時 [05:08.466] [05:08.636] 夜のさなかに [05:13.751] 目を覚ますと男はいない 銃もない [05:21.834] やがて帰った男のテレパシー [05:28.058] [05:28.205] 「仕事を終えてきた」 [05:31.291] 弾の減った銃を手に [05:31.464] そのまま過ぎる夜 [05:32.995] 女は男のために日々の同じ時を過ごす [05:36.515] いつかきっと変われると夢を見ただけ [05:39.611] [05:43.544] ねむりたい ねむりたい 夢は絶えても (希望の世界は どこにもない) [05:48.878] [05:49.010] やすらかに やすらかに 短い夜でも (赤色に染まる空 胸が熱く脈を打つ) [05:54.128] [05:54.252] 今日という いちにちが おわるのなら (そう 終わりだと 青い若者は) [05:59.441] [05:59.594] 明日のため ずっとずっと 続くのだから (胸の痛みを忘れながら) [06:07.301] [06:07.449] 深い眠りへ (落ちていく) [06:12.336] [06:31.068] 地球の青 火星の赤 [06:37.418] 続いていく どこまでも [06:45.546] [07:18.836] 終。