「クツコトバ」 跪いて赤い靴を舐めて  「アイシテル」と言って  甘やかな罠に  堕ちて来なさいな さあ  崩折れた城に 隷属の獣たち  玉座を囲む炎が 私を奉る  冠に 宝石のピアス  そして夜を従える貴方の  指先に根付いた支配  苦痛に歪み 荒げる喘と  それでも尚 静かな視線は  確かな恋をしている  そう 棘の路を通り  私に逢いに来たのよ    こ ぼ れ て い く  すべて を 失うよ り 怖い    " 手に 入れ た も の は ? "  そ れすら もう思い出せな い ―――  潤む蝶の羽根 蜘蛛の毒  眠る繭の見る夢幻  正しいと云うなら  マジェスティ 教えて  跪いて赤い靴を嘗めて  「愛してる」だなんて!  密やかな罠に堕ちたのは  …私だったの  (おやすみという小さな声を聞いてしまうと   何も考えられなくなって   眸を閉じる。)