乾いた草の匂い 髪をなびかせる風 空渡る雲 追いかける 蹄の音 Sa gourr chie sis tierr, sis aierra.("人は鳥にはなれない、人は蝶にはなれない") Sa gourr chie sis annua.sis zannua.("人は風にはなれない、人は雲にはなれない") Sa gourr nou sis couse, hass deeida("人は空をとぶことはできない、人は地を離れては生きられない") Sa gourr chie sis sa gourr, nou sa gourr.("人は人、人にしかなれない") まだ見ぬ広い世界 幼いりょうのめには 空はあまりに高く 地平はあまりに遠い 小さな背追い越して 伸ばした手すり抜けて はるか彼方へ風は往く もう届かない Sa gourr chie sis tierr, sis aierra.("人は鳥にはなれない、人は蝶にはなれない") Sa gourr chie sis annua.sis zannua.("人は風にはなれない、人は雲にはなれない") Sa gourr nou sis couse, hass deeida("人は空をとぶことはできない、人は地を離れては生きられない") Sa gourr chie sis sa gourr, nou sa gourr.("人は人、人にしかなれない") 私のこの小さな手で一体何が出来るだろう ひろげた手はあの地平の広さにまだ届きはしない 灰色の空 羽音残して鳥が渡る 何処か遠くでかすかに響く 祈りのこえ わたしはひとり草に佇む 地を踏みしめ 風が囁く 頭をあげてただ進めと 朝陽が今 地平を染める 黄金色の光 注ぎながら 冷えた大地 あたため包む あの暁の両の腕よ 腕をひろげ地平を抱こう 今はか細いこの両腕が いつか全て やさしく包む 大地になると心に誓う 強く 人は迷う 人は憎む 人間は人間を殺すだろう それでもなお人は愛す 人間を今も 世界をいつも 哀しみさえ ぬくもりさえ 裏切りさえも 抱きしめて この地の上 生きる者の 大地になる 暁になる