作曲 : 魔女達の舞踏会 ~ magus どうして 僕はこんなところを歩いているのだろう 答えは もはや敢えて問い直すまでもない ー僕は死に場所を探しているのだ ここなら/ 谁も僕を見つけることなどないだろう 谁もが 恐れ忌避するという森の奥深く ーなのに、どうして人がこんなところに “あら、そこの‘迷い人’さん どうしてこんな所にいらっしゃったのですか 帰り道を教えて差し上げますから どうぞついてきて下さい そうして 足を踏み入れたのは小さな いたいけな少女をあの場所に置き去りには出来ない ー傍で死ぬわけにもいかないだろう “暖かい飲み物をお持ちしますと 彼女は告げ屋敷の奥へと ふと聞こえた物音に 興味をそそられた僕は こっそりと傍のドアを開いた そうして、僕の目に、飛び込んだのは ー毒を湛えた ー蛇のような生き ーひとりでに ー呪わしげな まるでこれでは、魔女の館じゃないか “気づくのが遅かったな お前は踏み込んだのだ 邪恶な魔女の住処へと 愚かにものこのこと 気づけば背后には少女暗い光を缠い こちらに向けるその笑みは恐るべき魔女のもの その目は獲物を値踏みしているかの 僕は逃げようとしたものの …体が動かない “あー?足掻くだけ無駄だぞ 森に足を踏み入れる者の末路など 最初から決まりきっているのだから “惨めな 野晒し髑髅、或いは骨すら残されずー …何れにせよ お前ごときでは 逃げられはしないのさ ~ーそれでは。晩餐を始めるとしようか ~ーそぅら。食台にその見を献上しろ ~宴は盛大に行われるがいい 久方ぶりに食いでがある食材だ ~ー爪を剥いでやろうか ー血を抜きさってやろうか ー舌をもいでやろうか ー目をくりぬいてやろうか ~自分の愚かさを呪えよ いざ踊れ、踊り狂え 魔女は野蛮に嗤い猛る この胸中には愚かな自分をただ責める いざ歌え、歌い狂え 魔女は野蛮に嗤い猛る “まだ死にたくない などと情けない声が漏れ出でる 光の渦が 何かの魔法を解き放つ その手にかかって僕は最期のときを迎えるのか 僕は目を閉じて 眼前の光景から眼を逸らす “せめて、最期はどうか苦しまずに と願いながら “ーと、こういうことがあるかも知れないので …もう、森には近寄るな でないと、次はほんとに食われちまうぜ