嘆キノ壁ハ 積ミ上ゲラレテ 愚カノ神ハ 奉(たてまつ)ラレル 生きるは毒杯 杞憂(きゆう)の苦しみを 飲み干す術を誰か授けよう 太陽に棲(す)むと云う賢者(けんじゃ)の鷲(わし) 羽摶きだけが谺(こだま)する この双つの眸に宿った 闇と光その何方(どっち)で 僕は未来を 見つめるべきなのだろう 渇き切った瓦礫(がれき)の街 点と線を繋ぎ合わせ 意味など無い事ばかり 溢れてゆく 炎のごとき孤独 抱く體 鎮(しず)めては 暗渠(あんきょ)へと滴(したた)ってく雫 掲(かか)げる毒杯この生は満ちても 焦がれる死の夢は流れ着く 砦(とりで)に喰い込む爪(つま) 孤高(ここう)の鷲(わし) 羽摶だけが舞い上がる あの蒼穹(そうきゅう)に磔刑(たくけい)にしてくれたまえ 天と地が結ぶ場所に僕は立つ 花実のような記憶たちは 焼かれ爛(ただ)れ抜け殻(から)だけ あの日の魂は 何処へ行ったのだろう 冷たい膚 寄せて触れて 胸の傷と傷を合わせ 再び辿るべき地図 ここに刻む 世界は見えぬ翼 その黒影に隠された 純白(じゅんぱく)の一羽射(い)止めよ 生きるは祝杯(しゅくはい)口移しの快楽(けらく) 乾く嗤(わら)いも息も絶え絶えに まぐわいあう慰(なぐさ)みの掌に 虚しさだけが膨らんで ああ玉砕(ぎょくさい)と美しく散(ち)りゆくならば 恍惚(こうこつ)の先にまだ君が居る 嘆キノ壁ハ 突(つ)キ崩サレテ 愚カノ民(たみ)ハ 鏖(みな)サレル 生きるは毒杯愛する悲しみを 飲み干す術を誰が授けよう 月下(げっか)に眠ると云う静かの鷲 啼き声だけが舞い降りて 掲(かか)げる祝杯(しゅくはい)わが生は満ちても 果敢ない死の遊戯は果てもなく 砦(とりで)に喰い込む爪(つま) 孤高(ここう)の鷲(わし) 羽搏きだけが舞い上がる あの蒼穹(そうきゅう)に磔刑(たくけい)にしてくれたまえ 罪と罰を生む時代を僕は視る 终わり