燃えている吊り橋 引きちぎられた手が かそけき祈りごと 河辺の穴へ零れてった 時の歯車は静か 狂い出して 水を掻くように歩けば 息苦しくて ゆうゆらり 宙ぶらり 水の流れも ゆうゆらり とめどなく過ぎて 濡れてる指で掴む枯れ葉 流れに熔けるよ 零れ落ちた葉 細腕で集めた 「濁流か清水か そのどちらかで飲め」と言った そこは正気も狂気も 同じ言葉 そこは出会いと別れが 逆の言葉 夕暮れに揺れてる 橋が焼けてる 夕暮れの赤さに混じって 火傷の痕を晒し眺め 夕暮れに解けるよ 人が迷い込む国は 人の夢か? 人が迷い込む国は 河の底か? ゆうゆらり 宙ぶらり かつて男は 夕暮れに吊り橋を燃やし 河辺の穴に焼けて堕ちて 正気も狂気も 別れも出会いも 水も火も死も 世界を回す絡繰も 全てが河の底で混ざる 堕ちるよ 堕ちてくよ