[00:00.30]「わたくし、古代のロマンにЗволинский!」 [00:02.00]【ロシア人富豪:Алэксэй Романоич Зволинский】 (Alexey Romanovic Zvolinsky: The Russian billionaire) [00:06.20]「嗚呼~穴があったら、掘りたい!」 [00:10.60] [00:10.90]「Ladies and Gentlemen! [00:13.60] さぁ!本日お聞かせするのは私の華麗なる半生、 [00:17.30] 貧しい生い立ちで幕を開ける涙に涙の物語でございます!」 [00:23.00]「Хорошо, хорошо、張り切って参りましょう! [00:25.70] さぁ腕を組みながら足の筋を伸ばす運動!」 [00:28.25] [00:28.50]赤く揺らめく暖炉(Печка) 家にもあったのに [00:34.60]悲しいけれど 燃やすべき 薪がなかった [00:40.70]弟達はいつも 機敏(ちょこまか)に動いてた [00:46.80]腹は減るけど じっとしてたら 凍っちまうから [00:53.30] [00:54.80]運命の贈り物 不幸を詰めた 入れ子人形(Матрёшка) [01:00.90]開けても 開けても 悲しみばかり [01:06.95] [01:07.20]「Хорошо, хорошо! борщは黒胡椒! [01:09.50] さぁ、2番ははますます涙ちょちょぎれまスキー」 [01:12.25] [01:12.50]白く煌めく大河(Волга) 風を切り裂いて [01:18.60]走れ馬車よ(Тройка) 家は遠いか 空駈けろ [01:24.70]妹達もいつも 腹を空かせてた [01:30.80]頑張れ末妹よ(Катюша) 銀のお注射 きっと快くなるさ [01:37.30] [01:38.80]人生は贈り物 不条理詰めた 入れ子人形(Матрёшка) [01:44.90]開けても 開けても 苦しみばかり [01:51.60] [02:00.60]「さあ皆様!お手元にハンカチ等ご用意くださいませ。 [02:05.80] え、此処まではほんの序章に過ぎません。 [02:08.50] 本当に悲惨なのは此処からでございます!」 [02:11.80] [02:12.20]臥せる少女の治療費で 貧しい家計は燃え上がり [02:24.30]父親(パパ)は遠くの炭坑で 岩が崩れて下敷きに [02:36.40]登りは険しき坂道も 転がり堕ちるは正に刹那 [02:48.30] [02:48.70]死せる少女の葬列に 愛した二人の影はなく [03:00.90]母親(ママ)も娼婦の格好で 無理が祟って旅立てり [03:13.00]どんなに険しき坂道も 転がり堕ちるは正に刹那 [03:24.85] [03:25.10]「刹那―――」 [03:30.40]「貴方、あ・な・た!」 [03:34.00]「おお、Eirene。愛しいの我が妻よ… [03:41.40] わたくし、君の魅力にЗволинский!」 [03:47.30]「何バカな事をおしゃってのですか? [03:50.40] 作業の方がいかがですか?」 [03:52.70]「順調快調絶好調!今は丁度休憩していた所です。 [03:58.40] ああ、君達はもういいですよ。はい、ありがとう。 [04:01.90] Спасибо、Спасибо。」 [04:04.90]「おーほん!それでは諸君、 [04:06.80] 張り切って作業再開致しましょう!」 [04:10.00]「「致しましょう!」」 [04:10.45] [04:10.70]掘っても掘っても砂ばかり どれだけ掘っても脈がない [04:16.80]拝金野郎の妄想さ 無駄な努力と他者は言う [04:23.00]それでも 夫は諦めないわ [04:28.75] [04:29.00]掘っては掘っては砂埃 どれだけ掘っても切りがない [04:35.00]成金野郎の道楽さ 馬鹿な男と学者は嗤う [04:41.20]それでも 妻は着いてゆくわ [04:46.45] [04:46.70](眩く) 輝く黄金や [04:49.60](世界中に) 轟く名声が [04:52.60](貴方は) 欲しい訳じゃない [04:55.70](燃えるような) 夢が見たいだけ [04:59.05] [04:59.30]運命(Moira)が望むのは 喜劇か 悲劇か [05:04.90]今もう一度【神話】を 歴史の舞台に立たせたい…… [05:17.60] [05:30.00]貧しい一家は離れ離れ 私は商家へ丁稚奉公 [05:42.20]不細工な顔だと虐められたけど 誰よりも必死に働いた [05:54.30]私(貴方)を支えたのは家族の存在と [06:00.40]母の形見となった一冊の【叙事詩】 [06:05.80] [06:06.00]―“運命は残酷だ されど彼女を恐れるな [06:12.20] 女神(Moira)が戦わぬ者に微笑むことなど 決してないのだから“― [06:21.30] [06:24.20]人生は贈り物 不条理詰めた 入れ子人形(Матрёшка) [06:37.00]それでも私(夫)は掘るだろう(でしょう) [06:43.20]そこに穴がある限り…… [07:00.40] [07:02.40]「Ohoo! Eirene、Eirene!」「貴方、なに?」 [07:07.70]「Хорошо, хорошо, Хорошоооо!!!」 [07:10.80]「うわ、素晴らしいわ…」 [07:16.00]