儚く散りゆく桜 静かに朽ち果てていく 幾度と繰り返される 逃れられぬこの時の 呪縛を脱ぎ捨てられたら 風に舞う花になれたら 今宵会いに行きます 赤い館まで 四肢の枷は外れぬ 罪の重さをこの身に刻む 揺らめく下弦の月は 私に似て俯いて 煌めく雲は羽衣 私を見張る瞳が 貴女のものであったなら もうなにも望まないのに 青い星の流れは 赤い館まで 続いているのだろうか ねえ誰か答えて 海神の神の宮の内のへの妙なる殿に  のみ たづさはり ふたり入り居て 老いもせず 死にもせず 天の原 降り放け見れば  霞立ち家路惑ひて 行方知らずも  のみ 色褪せたまほろばに  のみ 滲む緋の影が 消えてしまわぬように 叫び続けていた 今宵会いに行きます 赤い館まで 四肢の枷は外れぬ 罪の重さをこの身に刻む