一昨日の声に脅かされ 飛び交う扉を一つ 開けば めくるめく思考の回廊 ぎしりと軋んだ 手を当てた左胸 いつかいずれ また眠りを醒ます恐怖の記憶 逸脱的眼と見透かすべきではない心 現実との落差 誰も彼も恐れ恨む 他者の言葉の雨霰 集まったみなの病みはどの位? この暗い闇の中don't cry 数多の記憶を一握り 零れ落ちて降り注ぐ 一頬り いつまでも見つめる 三つ眼の奥の迷路 気付けば独りきり また目眩 見えた世界は一つしか無い 再度Daydream アナグラム 手に取り一字加えたサイコメトリー 荒野に ぽつんと浮かんだ 帆船が独つ 朽ち果てていく ざらめ雪の深深と 細指で摘んだ 蕾の柔さ 無明の蝶は蛾と群れて 身を焦がす火遊びに興じる なだらかな下り坂だと 知らずになだれて 唐突に響くダウナーのノックにただ息を潜めれば 巡る巡る思考の錯誤 じくりと痛んだ 豪奢に設えたドレスの 艶やかな色合い 網膜を刺す まがつ深淵にほだされ 吹き消された火の消せない残像 扉の先を見渡す 感傷に浸る暇など無く 半ば作業的に仕方無く 思考に溶け込んでいく感覚 何気なく目を開く 不安になる いつになく 故意に そして盲目的に無意識 価値観の不一致 流れ込んだ華かな光 波に飲まれ見失う 塞ぎこんだままの闇の中で誰を煙に巻く 幾千数多の嘘達が潮笑う からかうも味気なく めげずまた日めくり 愛を探すも堂々巡りの回想 気付けば自身の思考も迷子 蛹に環る蝶はただ まだ味わわぬ蜜の味を想う さざ波のような心音に 意識はさらわれ 唐突に響くダウナーのノックが掻き消す今朝の記憶 絶え間なく続く既視感 ぐらりと揺らいだ 無名の蝶と戯れて 花から花へ半ば風任せ 穏やかな日々は夢幻と 知りつつ溺れて 一昨日の声に脅かされ 飛び交う扉を一つ開けば めくるめく思考の回廊 ぎしりと軋んだ 荒野に ぽかんと開いた大穴が一つ 投げ入れていく やがて訪れる夜明けの 色も知らずに歪な夢を見る