向こうの世界は いつも 賑やか だけど どこか つまらなそうだ 「一緒に笑える」 それだけのこと とても大切なこと 教えてくれた君への感謝は 尽きないけど 「ありがとう」 とは 照れくさくて 言えそうにない 今夜も 黙って乾杯 「憂世鬱世」 云々嘆き節 肴に呷る酒の苦味よ けれども染み入り酔いぬのは 君と居るからこそ 月夜に想い耽る 照らすほろ酔いの背 涙伝う頬は赤らみ 踊りだし酒の辛み乗せる 少し寒いのは肌着のせい?君がいないから?…いや気のせい 数少ない嗜みかっ喰らい撹乱するかつて無いほど 自分にただ苛立ち眼差しは確かに哀しみの舞 笑い話 にも出来ずに想いは盥回し それでも回る世界そう変わらず二人は存在してる 今でも垢抜けない そのままで後悔し寝るね 向こうの世界は 平穏無事 だけど どこか息苦しそうだ 肩の力を 抜き 過ごせる 場所ではないのだろう 「渡世は厭世」 云々 恨み節 肴に浸る酒の苦味よ けれども染み入り酔いぬのは 君が居るからこそ 僕は 名前も 知られてない 君の 周りには 人集り だから 僕は 少し 離れた 場所で 君を見ていた 薄ざわめき 雲隠れの月 妙に 肌寒い 夜の小道 足元を照らす程度でいい 今夜は灯りが欲しい 飲んで吐いてく 酔わんとする 華奢な抵抗 これは知恵の輪 外していく過程 解かれば終い 子供の僕には理解りやしない 寄せて返してく この感情 半ば迷走 だけどさ 消えてしまうより 賭けてしまいたい まだ燃ゆる灯を いつか いつか 「今夜は月が綺麗ですね」 どうやら君は気付いていない 項垂れてホッとするのはバレて覗き込む様に思わず 目線を逸らして「なんでもないから」 今宵もいつか酒の肴 患い人はあてのないまま 横顔を眺め惚れる 向こうの世界が 幕を閉じて 彼らは 大きく 息をついた 僕らもいずれ 別れるだろう それぞれの行く先 君との別れはちょっと悲しいけど 涙の別れはもっとつらい だから僕はきっとその時 笑いながらに言うよ 二人 騒ぎ 二人 酔い耽る 今夜が 最後でもないのに 僕の 視界が ぼやけていく 袖で こっそり拭う 薄雲越えて 注ぐ月明かり 君と 寄り添って この夜道 今夜は 月が明るいけど もう少し このまま 「憂世鬱世」 云々 嘆き節 肴に呷る酒の苦味よ けれども染み入り酔いぬのは 君と居たからこそ 「渡世は厭世」 云々 恨み節 肴に浸る酒の苦味よ けれども染み入り酔いぬのは 君が居たからこそ