别れる春 二つの影は隣の空白に気付かない 上と下と表と裏で すれ違う蕾は惑うのでした ふたりきり ひとりきり 浸れる想い焚いて 舞い降る桜色 失意も染める ひとひらの恋の終わりも 無数の花びらを掬うてのひら 胸の戶が軋んだ 遡る ほとりだけ 暦も脱ぎ捨てたら 煩く肩に積もり ずっとね 囁く 涙の屑 君はもう夜に融けてく うたかたの日 淡い慕情 懷旧と花に融けてく 桜色にかき消されて 離れる春 古びた写真 代わりに泣いている空模樣 見惚れるほどあざやか色 あの日の木の下に全部埋めるよ 舞い降る桜色 失意も染める ひとひらの恋の終わりも 無数の花びらを掬うてのひら 胸の戶が軋んだ 君はもう夜に融けてく うたかたの日 淡い慕情 懷旧と花に融けてく 桜色にかき消されて