宇佐見 秋彦  多分、孝浩がこの世で一番大切なものは、 弟なのだと思う。      高橋 孝浩   ウサギ、ごめん。 ひまわりの成長の仕方って知ってるか? 宇佐見 秋彦  ひまわり? ああ、芽が出て双葉が出てってやつか? 高橋 孝浩   うん、そう。 実は弟が、夏休みの課題で、 ひまわりの成長記録を付けることになったんだけどさ。 おれが手を入れてやらないとだめな状態で… 宇佐見 秋彦  本当に孝浩は弟が大事なんだな… だが…  宇佐見 秋彦  おまえ、過保護すぎだぞ。 観察日記くらい一人でやらならせないでどうする? 高橋 孝浩   あっ、いや、そうなんだろうけど、 ウサギ… 宇佐見 秋彦  わかったわかった。 まずどれくらいのものか見せてみろ。 高橋 美咲   七月三十一日、晴れ。 ひまわりに、芽が出ました。 ちいちぇー! 八月十四日、晴れ。 大豊作! 宇佐見 秋彦  途中経過は? というか、大豊作って何だよ? というか、この絵、 どう見てもひまわりじゃない花だろう! 一体何を植えたんだ! 高橋 美咲   その後二人は、 必死になって、植えてもいないひまわりの成長を調べる破目となったのだった。