lament blue 海は静かに夜を映して、ただ波音を奏でている。 小さな雫ひとつ落ちても、夜の音色になれないまま。 割れ落ちた硝子のように、涙は月に透かされて、 やがて海に溶けていった。それはまるで魔法。 悲しみは消えないけれど、少しずつ形を変えて。 また誰かの涙を溶かしてくれるよ、いつでも。 あなたの名前を、そっと呼んであげるよ。 風が吹いたら、想いは遠い海へ。 海の中では誰も決して、涙を見せることはできない。 ただ悲しみと沈む心が、そこに静かに佇んでる。 そして月も海に沈んで、新しい光が上る。 時がいつも次の季節を選んで、流れる。 この波に心をそっと浸してみれば、 思い出せる、幼き日々の夢を。 海の中では誰も決して、涙を掬うことはできない。 誰かを想う優しさだけがそこにはあって、見つめてるの。