埋もれ、朽ち果てた亡骸、 ―いつから、ここにこうして。 誰に見つけられるでもなく 打ち捨てられた屍は。 望まぬ最期の時を 迎えたのだろう、と思う。 人ならぬモノの暴力に きっと、為す術さえもなく。 …かくも哀れな末路ではないか。 誰にも、省みられずに。 どうしようもなく、終わってしまっていても。 せめて、私は、この両手を合わせよう。 その死に、意味など無いと知っても、 与えずにはいられない。 誰にも、知られることさえなく 埋もれ続けるよりは。 埋もれ、朽ち果てた亡骸、 ―その身を、無為にはしない。 妖怪達が意味を、畏れ続けるため。 私達が生きる、明日のため。 その名さえ知らぬ、不幸な犠牲者よ せめて、私は、この両手を合わせよう。 その死に、意味など無いと知っても、 見出さずにはいられない。 誰にも、知られることさえなく、 埋もれ続けるよりは。 誰にも省みられず、忘れ去られてしまうより。 私達が生きる明日の、この世界の礎となるがいい せめて、語り伝えることで意味を持たせられればと。 そうして、明日なお続く命に思いを馳せるのだ。 埋もれ、朽ち果てた亡骸、 ―この手を、合わせよう。