誰や…誰や… 月夜に浮かんだ青白い祈り ちらほら灯して参りませぬか 白く身を包み紅い紅さして 今宵の宴は世に咲いた運命 流れ流れ渡し舟  連ね連れられる連 悪戯にとおせんぼ歌い踊り舞う 子狐の小唄は浮き世を知らず 百、二百 歩を読み 遠離り恋しやと泣けば 晴れ姿さえ報われぬ 誰や…誰や…私を愛してくれる者 その眼は 冷てえな姿を現す影法師 ある夜 姉様はもう帰りゃせんと そう言いなさって この道 去かれた 手招きしていた赤い彼岸花 この身もこうして後を追いましょう 黒い森を抜けふたつ峠越え 遥々むかうはあぜ道迷う千鳥足 咲けや…咲き乱れや… 美しかろう この艶衣装 みな眼に焼き付けや 二度とは逢われぬこの姿 誰や…誰や…私を愛してくれる者 その眼は 冷てえな姿を現す影法師 月夜に浮かんだ微かな願い お天道様はききいれてくれようか 霧があけるようにこの身が消えたら 次は蝶になり自由に舞おう