小箱を折りましょう。 咲いた春を千代紙に。 春は小箱を泳ぎ出て、 遠くお空へ飛んでった。 ふわりふわり、そよ風おどる梢、 ゆらりゆれて、影法師 どこへ行くの。 お手玉、作りましょう。 溢れた春を詰め物(千代紙)に。 とっとお空に放ったら、 どんな響きがするのでしょう。 ふわりふわり、踊る梢にひかり、 ゆらりゆれて、影法師、どこへ行くの。 触れる触れる温もり、 遠く遠い、春の夢。 ふわりふわり、そよかぜおどる梢、 ゆらりゆれて、影法師、どこへ行くの。 薄墨 くれない さくらさくら ぬるい眠りの奥底に、 恋しと囁く声がある。