[00:00.00] 作词 : 中原中也 [00:11.81]月夜の晩に、ボタンが一つ [00:17.29]波打際に、落ちてゐた。 [00:22.45] [00:28.66]それを拾って、役立てようと [00:34.38]僕は思ったわけでもないが [00:40.16]なぜだかそれを捨てるに忍びず [00:46.11]僕はそれを、袂(たもと)に入れた。 [00:51.07] [01:02.79]月夜の晩に、ボタンが一つ [01:08.50]波打際に、落ちてゐた。 [01:13.85] [01:19.80]それを拾って、役立てようと [01:27.56]僕は思ったわけでもないが [01:31.14]月に向ってそれは抛(はふ)れず [01:36.74]浪に向ってそれは抛れず [01:42.49]僕はそれを、袂に入れた。 [01:48.04] [01:53.97]月夜の晩に、拾ったボタンは [01:59.76]指先に沁(し)み、心に沁みた。 [02:05.19] [02:05.65]月夜の晩に、拾ったボタンは [02:11.10]どうしてそれが、捨てられようか? [02:17.00] [02:49.46]月夜の晩に、ボタンが一つ [02:55.11]波打際に、落ちてゐた。 [03:00.69] [03:06.22]それを拾って、役立てようと [03:11.93]僕は思ったわけでもないが [03:17.57]月に向ってそれは抛(はふ)れず [03:23.76]浪に向ってそれは抛れず [03:28.71]僕はそれを、袂に入れた。 [03:34.63] [03:39.99]月夜の晩に、拾ったボタンは [03:45.62]指先に沁(し)み、心に沁みた。 [03:50.99] [03:51.26]月夜の晩に、拾ったボタンは [03:56.68]どうしてそれが、捨てられようか? [04:04.11] [04:05.00]終わり