[00:32]蓮子:「私にとっては、ひも理論の研究も、 [00:35]秘封倶楽部の活動も、どちらも同じことなのよ」 [00:40]メリ:「物理学と、オカルトサークルが?」 [00:44]蓮子:「ええ。知らないことを、知ろうとすること。 [00:48]封じられた秘密を解き明かすこと。 [00:54]確かにそれは、メリーの言う通り美しくも残酷なことなのかもしれないわ。 [01:03]でも、だからこそ......全てを解き明かしたその向こうに、 [01:08]それでもまだ見ぬ何かがあるんだって、私は信じてるのよ」 [01:14]メリ:「それは......夢のような、話だわ」 [01:18]蓮子:「そうね、夢だわ。 [01:22]だから現実に変えるのよ。 [01:28]雪はいつか溶けるけれど、綺麗だという想いは残る。 [01:34]目には見えず、形もないけれど、想いはここにあるもの」 [01:45]メリ:「その想いすらも、いつかは消えてしまうのだとしても?」 [01:51]蓮子:「それでもまた雪は降るし、そうしたら新しい想いも生まれるわ。 [01:56]大晦日は一年の終わりだけど、新しい年の始まりでもある」 [02:05]メリ:「全てを解き明かしても、そこが終わりじゃなくて始まり、ということね。 [02:10]蓮子らしいというか......」 [02:13]蓮子:「私が私らしくあるために、ということよ。 [02:18]だからこそ私は、秘封倶楽部なんだわ」 [02:23]メリ:「でも蓮子、貴方のいうことは一つだけ間違ってるわ」 [02:28]蓮子:「え?」 [02:30]メリ:「私たち、でしょう? [02:32]秘封倶楽部は、二人で一つのオカルトサークルなんだから」 [02:39]蓮子:「そうね!けど、メリーの方こそレポート大丈夫なの? [02:45]来週末、行きたいところがあるんだけど」 [02:48]メリ:「レポートって何だったかしら。 [02:50]どこかで聞いたことがあるような [02:53] ......懐かしい言葉ね。まるで夢のようだわ」 [02:57]蓮子:「......さては自分のレポートが終わってないから現実逃避に話そらしてたのね!? [03:04]道理で人の研究を珍しく聞きたがると思ったわ!」 [03:08]メリ:「いやだわ蓮子、こんなに雪が綺麗なのにレポートの話をしなくてもいいじゃない」 [03:14]蓮子:「ちゃんとレポート終わらせて、予定あけておいてよね! [03:17]行きたいこともやりたいこともいっぱいあるんだから」 [03:23]メリ:「私たちにはまだまだ、知らないこともわからないことも、 [03:27]見ていないこともたくさんある、ということね」 [03:30]蓮子:「いい話にまとめようとしても無駄よ」 [03:32]メリ:「私たちらしいじゃない。 [03:34]私たちが、私たちらしくあるために、今夜もそろそろ行きましょうか」 [03:39]蓮子:「そうね。のんびりしていたら、クリスマスとお正月と雪解けが一緒にきちゃうもの。 [03:46]店員さん、お会計お願いしますー」 [03:50]メリ:「そうして私たちは、今夜も夜の街へと、 [03:54]まだ見ぬ秘密を探して二人でかけてゆくのでした」 [03:58]蓮子:「......メリー、誰に言ってるの?」 [04:01]メリ:「さぁ、まだ見ぬ誰かに向かって、かしら」 [04:05]蓮子:「変なメリー!」 [04:07]メリ:「蓮子ほどではないわよ」(蓮子とメリー、くすくすを笑ってフェードアウト)