やせ細る身体を震わせても、誰も興味を抱かないと 幼く捨てられた私だけど、そんな事もう知ってたから 優しく手を伸ばす“老夫婦”に出会えてから、今までの世界が弾けて消えた 私に居場所を与えてくれた その笑顔、光の様に…… 『透き通る星空』 『深い海原』 『写す川』 『移り行く自然』 『風の匂い』 『景色』 “老夫婦”の話す旅の土産話に心躍らせて笑う その日は 「それだけじゃないよ」 と、大きな鏡 渡された“贈り物”にはしゃぎ、咳き込んだ私を 心配そうに見つめて 「古い物だけど、気に入ったなら良かった」と笑っていた “老夫婦”は旅に出掛け、一人きり 寂しさを紛らわせる日々 心ざわついてた私だけど、鏡の前なら落ち着いた 透明な世界を写す鏡の中は、もう一人の私が笑いかけた 表裏一体の私の姿、何よりも美しかった…… 『真夜中の暗闇』 『鏡に向かう』 『一人きり』 『彼女の名』 『三回呼ぶ』 と 現れると 古い絵本に書かれた“物語”想いを馳せて今呼んだ…… 割れた鏡の向こう側に、血塗れた 『彼女』 現れたその姿見つめて、優しく微笑んだ 「やっと呼び出してくれた」 と冷たく笑う 驚いた心の隙間にとり憑いた…… 赤く熱い鮮血に魅入られた 『彼女』 遊ぶ友達が欲しい私 『さぁ これからは二人で、 命尽きるまで 最高の“血祭り”を楽しみましょう?』 终わり