消え行く泡沫の灯は ただ徒らに輝き増して 包む奈落の暗闇に今 火花を遺す 深い眠りから覚めてまた見渡す 光すら届かぬ淵から踏み出す 過ぎ去りし星霜は彼方 見下ろした景色 形だけ変えて その内に宿る心 変わりえぬ欲望を振りかざし燃える 追いかけて掴もうとしても逃げる幻は蜃気楼 断ち切れぬ望みは一夜の夢の中に溶けて… 揺ぎない現実の先に 人は皆 満たされぬ幻想を馳せて 夢破れ散り行く前に 生まれ来る息吹へとその運命託す 薄れ行く意識の淵で駆け巡る記憶は走馬灯 逆らえぬ無常の輪廻に抗いまた果てる まだ知らぬ理想に誘われ破壊と調和を繰り返し 魂は涅槃の先で螺旋を登って往く 常しえの私岸を求めて境界を彷徨う 玉響の火花はまた暗闇に舞う