失くした想いを胸に 溢れる星月の夜 一人きり 風揺られ 恋した神々の唄 空が茜に染まって 影がそっと伸びて行く 消える童達の声 「また明日」と響く 空は秋へと移りて 風に靡く豊穣の稲 首を傾ぐ案山子達 沈む夕日に慕う はらはら舞い落ちる 茜色の雨 渡り鳥の声 秋の訪れ告げてく 舞い散る秋の息吹 流れた紅葉を一つ 両手で掲げて 月夜に照らした 過ぎ去る南風よ 空舞う秋津の羽よ 過ごした季節に 恋した神々の唄 山が白く顔を染め 風が胸をすり抜けて往く 消える獣達の声 一人空を見上げ 廻る季節 一年の 積もる想いを乗せて 茜に染まる山に 粉雪はらり 冬鳥が 秋の終わり告げる 川を流れる紅に 暮れなずむ想い込め ひらひら舞う雪 幽かに輝く 過ぎ去る秋時雨よ 流れる小春の風よ 別れた季節に 恋した神々の唄 失くした過去を想い 季節は幾度も廻る 恋した思い出は 雪へと変わって 陰る数多の息吹 駆く花の如く舞え 出会いも別れも 全てに感謝を 秋夜に取り残した 紅葉に言葉を乗せる 過ごした季節に 恋した神々の唄