桜ノ雨.——伊東歌詞太郎 それぞれの場所へ旅立っても 友達だ聞くまでもないじゃん 十人十色に輝いた日々が 胸張れと背中押す 土埃上げ竞った校庭 窮屈で着くずした制服 机の上に書いた落書き どれもこれも僕らの証 白紙の答辞には伝え切れない 思い出の数だけ涙が滲む 幼くて傷付けもした 僕らは少しくらい 大人に成れたのかな 教室の窓から桜ノ雨 ふわりてのひら心に寄せた みんな集めて出来た花束を 空に放とう 忘れないで 今はまだ小さな花弁だといても 僕らはひとりじゃない 下駄箱で見つけた恋の実 廊下で零した不平不満 屋上で手繰り描いた未来図 どれもこれも僕らの証 卒業証書には書いてないけど 人を信じ人を愛して学んだ 泣き 笑い 喜び 怒り 僕らみたいに青く 青く晴れ渡る空 教室の窓から桜ノ虹 ゆめのひとひら胸奮わせた 出逢いの為の別れと信じて 手を振り返そう 忘れないで いつかまた大きな花弁を咲かせ 僕らはここで逢おう 幾千の学舎のなかで 僕らが巡り逢えた奇蹟 幾つ歳をとっても変わらないで その優しい笑顔 教室の窓から桜の雨 ふわりてのひら心に寄せた みんな集めて出来た花束を 空に放とう 忘れないで 今はまだ小さな花弁だとしても 僕らはひとりじゃない いつかまた大きな花弁を咲かせ 僕らはここで逢おう 卒業生の皆様へ これからの旅路に幸多からんことを お祈り申し上げます 道は違えど 同じ空の下 きっとどこかで繋がっています ぼくも貴方も同じ ご卒業おめでとうございます