そのむかし恋人は 一粒の種をまき 僕にこういいました 木がそだち、その枝に 花が咲いたら、そのそばに 家を建てて暮らそうと そのむかし恋人は 一粒の種をまき 僕にこういいました 花が咲き、その花が 実を結んだら、それを摘み 私を迎えに来てくれと 月が欠け、また満ちて 種は木になりました 春が来て、花が咲き やがて実をつけました 枝いちめんつけました