[00:00.00] 作曲 : ハチ [00:00.352] 作词 : ハチ [00:01.56](地を覆う大きな傘/。 [00:04.03]中央に塔が一本建ち、 [00:06.72]それが機械の塊を支えている。 [00:08.07]当然 真下にある集落には [00:09.42]陽が当たらず、 [00:10.74]機械の隙間から [00:12.01]漏れる「雨」に苛まれている。 [00:13.42]人々は疑わない。 [00:14.75]それが当たり前だったから。 [00:16.03]何て事はない。 [00:17.43]ただの「掟」なのだから。 [00:20.02] [00:22.83]WORLD'S END UMBRELLA/ [00:38.68]あの傘が騙した日 空が泣いていた [00:44.04]街は盲目で 疑わない [00:49.29]君はその傘に 向けて唾を吐き [00:54.67]雨に沈んでく サイレンと [01:00.01]誰の声も聞かずに [01:02.50]彼は雨を掴み [01:05.29]私の手をとりあの傘へ [01:10.71]走るの [01:12.78] [01:13.48]二人きりの約束をした [01:17.97]「絵本の中に見つけた空を見に行こう」 [01:23.99]刹那雨さえも引き裂いて [01:28.60]もう悲しむ事も忘れたまま [01:33.94] [01:34.62](降り頻る雨と共に、 [01:35.90]二人は傘の塔へとたどり着いた。 [01:37.33]閉ざされていた両開きの扉は、 [01:38.65]押せば呆気なく開き、 [01:39.93]二人を拒みはしない。 [01:41.27]誰も入ろうとはしないのだ。/ [01:42.65]鍵などあってもなくても同じだろう。 [01:43.97]その扉の向こうの、/ [01:44.62] [01:45.32]崩れ出し何処へ行く螺旋階段は [01:50.61]煤けて響いた滴り [01:55.93]泣きそうな私を そっと慰める様に [02:01.29]君は優しく 私の手を [02:06.62]白い影に追われて [02:09.24]逃げた先に檻の [02:11.94]理由 (わけ)を探す暇も無く [02:17.32]気も無く [02:19.55] [02:20.25]震えた手を 君が支えて [02:24.63]私はそんな背中を ただ見守るの [02:30.63]闇に溶けた 歯車は笑う [02:35.32]ホラ微かに風が頬を撫でる [02:41.35] [02:43.11] [02:43.91](「風が、流れてるわ」/ [02:46.87]女の子は言った。 [02:49.45]男の子は小さく相槌を打った。 [02:50.70]足を止める事はなかった。 [02:52.26]とても遠くまで来た様な、 [02:53.77]或いはまだ走り始めて間もない様な。 [02:55.25]絶望的に小さな二人を、 [02:56.69]誰が見つける事も無かった。 [02:58.26]誰が見つける事も無かった。 [03:01.31] [03:07.01]白い影はもう追ってこなくて [03:09.31]とても悲しそうに消えた [03:11.98]錆びた匂いも煤けた黒さえも [03:14.64]やがて色を淡く変え [03:17.28]何処からか声が聞こえた様な [03:19.96]気がした様な 忘れた様な [03:22.60]螺旋階段の突き当たりには [03:25.29]とても小さな扉が [03:27.94]埃を纏い待っていた [03:30.06] [03:30.86]「開けるよ」 [03:33.29]「うん」 [03:34.56] [03:35.56]そこには何もかもがある様に見えた [03:40.68]色とりどりに咲いた花 深い青空 [03:46.60]滲んだ世界に二人きり [03:51.51]もう何もいらないわ [03:57.33]絵本の中 とじ込んだ空を [04:01.95]在るべき場所に返した 忘れない様に [04:07.95]君がくれた 拙い花束を [04:12.61]笑いながら そっと肩を寄せた [04:17.93] [04:18.63]世界の最後に傘を差す [04:23.18]ずっとこんな世界ならば [04:26.56]よかったのに/ [04:29.31]悲しくないわ 君の側で.../ [04:40.13] [04:58.98]花の咲いたその傘の上には [05:02.34]とても幸せそうな顔で [05:05.53]小さく眠る二人がいた [05:11.46] [05:18.37]-END-