[00:00.490]間もなく、亀はまた出てきて [00:04.490]「さあ、こちらへ」と浦島を御殿の中へ案内しました [00:12.490]鯛や、ひらめやかれいや、いろいろなお魚が、ものめずらしそうな目で見ている中を通って [00:21.490]入っていきますと、乙姫様が大勢の腰元をつれて、お迎えが出てきました [00:31.490]やがて、乙姫様について、浦島太郎はずんずん奥へ通っていきました [00:39.490]目の上の天井に、珊瑚の柱、廊下には瑠璃が敷き詰めてありました [00:49.490]こわごわその上をあるいて行きますと、どこからともなく、いいにおいがして、楽しい楽の音が聞こえてきました [00:01.490]やがて、水晶の壁に、いろいろの宝石を鏤めた大広間に通りますと [00:10.490]「浦島さん、ようこそおいでくださいました。先日は亀の命をお助けくださいまして、まことにありがとうございます。何にもお持て成しはございませんが、どうぞゆっくりお遊びくださいまし」と、乙姫様は言って、丁寧にお辞儀しました