へえ、それは面白いね ぜひ行ってみたいが、それは何でも海の底にあるということではないか どうして行くつもりだね 私にはとてもそこまで泳いでは行けないよ なに、わけはございません。わたくしの背中にお乗りください 亀はこう言って、背中を出しました 浦島は半分気味悪く思いながら、言われるままに、亀の背中に乗りました 亀はすぐに白い波を切って、ずんずん泳いでいきました ざあざあいう波の音がだんだん遠くなって、青い青い水の底へ、ただもう夢のように運ばれて行きますと ふと、そこらがかっと明るくなって、白玉のように綺麗な砂の道が続いて、向こうに立派な門が見えました その奥にきらきら光って、目の眩むような金銀の甍が、高く聳えていました 「さあ、竜宮へ参りました 亀はこう言って、浦島を背中から降ろして 「しばらくお待ちください と言ったまま、門の中へ入って行きました