[00:00.490]へえ、それは面白いね [00:05.490]ぜひ行ってみたいが、それは何でも海の底にあるということではないか [00:12.490]どうして行くつもりだね [00:16.490]私にはとてもそこまで泳いでは行けないよ [00:21.490]なに、わけはございません。わたくしの背中にお乗りください [00:30.490]亀はこう言って、背中を出しました [00:34.490]浦島は半分気味悪く思いながら、言われるままに、亀の背中に乗りました [00:45.490]亀はすぐに白い波を切って、ずんずん泳いでいきました [00:53.490]ざあざあいう波の音がだんだん遠くなって、青い青い水の底へ、ただもう夢のように運ばれて行きますと [01:05.490]ふと、そこらがかっと明るくなって、白玉のように綺麗な砂の道が続いて、向こうに立派な門が見えました [01:18.490]その奥にきらきら光って、目の眩むような金銀の甍が、高く聳えていました [01:27.490]「さあ、竜宮へ参りました [01:33.490]亀はこう言って、浦島を背中から降ろして [01:38.490]「しばらくお待ちください [01:41.490]と言ったまま、門の中へ入って行きました