[00:01.000]いくら蟹が上手な床屋でも、毛のない頭をかることはできません。 [00:08.900]蟹は、そこで、山へやっていきました。 [00:14.040]山には狸が昼寝をしていました。 [00:18.140]「もしもし、狸さん。」 [00:22.350]狸は目を覚まして、「なんだ。」といいました。 [00:29.100]「床屋ですが、ご用はありませんか。」 [00:34.280]狸は、いたずらが好きな獣ですから、よくないことを考えました。 [00:42.660]「よろしい、かってもろおう。 “ [00:46.830]ところで、一つ約束してくれなきゃいけない。 [00:51.060]というのは、私の後で、私のお父さんの毛もかってもらいたいのさ。」 [01:00.200]「へい、お易いことです。」 [01:04.100]そこで、蟹の腕を振るう時がきました。 [01:09.240]ちょっきん、ちょっきん、ちょっきん。