[00:00.260]蟹がいろいろ考えたあげく、床屋を始めました。 [00:06.760]蟹の考えとしてはおおできでありました。 [00:11.890]ところで、蟹は、「床屋という商売は、大変暇なものだな。」と思いました。 [00:22.180]と申しますのは、一人もお客さんが来ないからであります。 [00:28.600]そこで、蟹の床屋さんは、はさみを持って海端にやっていきました。 [00:37.250]そこにはたこが昼寝をしていました。 [00:42.410]「もしもし、たこさん。」と蟹は呼び掛けました。 [00:49.320]たこは目を覚まして、「なんだ。」といいました。 [00:57.520]「床屋ですが、ご用はありませんか。」 [01:02.790]「よくご覧よ。私の頭に毛があるかどうか。」 [01:09.080]蟹はたこの頭をよく見ました。 [01:13.430]なるほど毛は一筋もなく、つるんこでありました。 [01:19.810]いくら蟹が上手な床屋でも、毛のない頭をかることはできません。 [01:27.700]蟹は、そこで、山へやっていきました。