底しれぬ闇たゆたう杯 人知れず花開く饗宴 唄え踊れ紅き処女達 影と共に歩め 「紅月勇女」 掠める風の香に 睫毛をそっと伏せる ざわめく虚ろの世 耳鳴る声を逸らして 例えば愛の剣とやらは 漆黒さえも照らすのだろうか 広がる黄昏に焦がれ果てた 失うものは永久に散り行き 色を忘れた魚のように 廻る夢と現 心の片隅に 焼け付く鈍色の空 見上げたその背には 消せない傷の囁き 例え孤独に包まれようと たった一つ 信じた正義を 世を捨て ひた走る闇の勇者 映らない瞳に何を宿す 現在を過去を置き去りのままに 怪と共に歩む この手に宿る形無き炎 届く筈もなく息を潜める いつか超える思いを携え 心燃やし尽くせ 未だ見ぬ数多の光の記憶 すべての始まりは宇宙の怒り 回れ叫べ赤き星々よ 涙と共に散れ 世を捨てひた走る闇の勇者 映らない瞳に何を宿す 現在を過去を置き去りのままに 怪と共に歩む 今宵月の満ちた闇の杯 灯りも人の声も呑まれゆく 紅の宴にただ酔いしれ この身を焼き尽くせ