[00:30]語る者さえもはや途絶えるほどには [00:36]悠か遠くに掻き消えた記憶は疎なりで幾星霜 [00:42]並んで寄り添う人と鬼の姿 [00:48]疑うことを知らぬほど小さな小さなその姿 [00:53]信頼のその証 [00:56]ゆびきりげんまんひとつ [00:59]誓ったは嘘を吐かぬこと [01:01]ずっと傍にいるよと [01:04]幼稚な約束ひとつ [01:07]御伽の国の恋物語 [01:13]並び立つ影二つ異形象る [01:18]まだ見ぬ行く末 語るが如く [01:24]何処と行く先わからぬ [01:27]風が哭く [01:48]語る者さえもはや途絶えたほどには [01:54]悠か遠くそこにあった密なる絆は変わらずに [02:00]並んで寄り添う人と鬼の姿 [02:05]信ずることに飽かぬほど [02:07]愛しい愛しいその姿 [02:10]約束を交し合う [02:13]対する人の望みは [02:16]けして涙を見せぬこと [02:19]鬼の泣き顔なんぞは 見たくはないのだと [02:24]御伽の国の恋物語 [02:30]幾夜の果てに二人は契りを交わす [02:35]ならば笑おうと [02:38]未来を語る [02:41]それはどこまでも [02:44]幸せな姿 [03:09]幾年が過ぎ去って [03:12]はたと帰らない彼は [03:15]行方を探されるまま [03:18]変わり果てたその姿 [03:21]哀れな鬼に晒した [03:23]御伽の国の悲恋物語 [03:29]夜盗かそれとも [03:31]はては妖怪の仕業か [03:34]二度と動かぬ その姿から [03:40]もはや約束など [03:43]破られたのだと知った [03:47]咆哮 [03:48]慟哭 [03:50]大地揺らす [03:52]もはや物言わぬ骸の前で [03:59]嘘吐きめ!! [04:02]裏切り者め! [04:04]約束一つ守れぬ軟弱者め...! [04:10]糾弾の声も遂には虚しく響くのみ [04:15]叫びはて [04:17]疲れはて [04:18]立ち尽くす [04:20]鬼の目には [04:26]―涙