[00:13]これにきこゆる おなみだばなし [00:17]むかしむかしの こいばなし [00:20]「月」と掛けて「乙女」と説き、語りましょうか。 [00:26] [00:27]欠けたる月が ふたりの影を [00:30]もののあはれに 笑います [00:33]その身が 満ちることなどないと、笑います。 [00:39] [00:40]わたしは、お待ち申しとります。 [00:43]あたしゃ、奪いにゆきましょか? [00:45] [00:46]「さぁさ、右へ」 [00:48]「いや、左へ」 [00:49] [00:50]どうぞ、こちらへ。 [00:52]いやいや、こちらへ。 [00:53]…お好きな道を とおりゃんせ [01:00] [01:02]嗚呼、かなしかなしや こいごころ [01:06]たのしたのしや こいごころ [01:09] [01:10]さあさ、どちらの 乙女ごころを [01:13]…おきに召しましょか? [01:15] [01:16]なら、けなげに尽くしましょう。 [01:20]いや、この身で 誘いましょか? [01:22]その心も。 [01:24]その体も。 [01:26] [01:27]…けして、のがしゃいたしませぬ…