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第十課 「イソップ物語」を読む |
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きつねが井戸に落ちましたが、 |
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どうしても上がれなくて、 |
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、困っていました。 |
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そこへ、のどがかわいて困っているやぎがやってきました。 |
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そして、井戸の中に、 |
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きつねがはいっているのを見つけると |
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その水はうまいかとききました。 |
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きつねは、困っているのに平気な顔をして |
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水のことをいろいろほめたて、 |
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やぎにおりて来るようにすすめました。 |
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やぎは、水が飲みたいばかりに、 |
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うっかりおりて行きました。 |
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さて、やぎは、のどのかわきがおさまったので、 |
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上に上がる方法を、きつねに相談しました。 |
| [01:26.26] |
すると、きつねは、うまい方法を思いついたと言って、 |
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あなたの前足を壁につっぱって |
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角を前にやってくださいよ。 |
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そうすれば、わたしが背中に乗ってとび出し |
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そして、あなたを引き上げましょう。 |
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と言いました。 |
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そこで、やぎは、今度もきつねの言うとおりにしました。 |
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きつねは、やぎの足の方からとび上がって |
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その背中に乗り、そこから、角をふみ台にして |
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井戸の口まで上がりました |
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そして、そのまま行ってしまおうとしました |
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やぎが、きつねに、約束がちがうじゃないかと、 |
| [02:36.03] |
文句を言うと |
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きつねは?ふり返って言いました。 |
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「ねえ、やぎさん、あなたにもう少し知恵があれば、 |
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そんな所へおりなかったでしょうね。」 |
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はじめに、この話を読んで、いちばん強く感じたことを話し合ってみましょう |
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では、大谷君、どうですか。 |
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きつねは、知恵がありますが |
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やぎは、すぐだまされるから、考えが足りないと思いました |
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でも、やぎがだまされたのは、 |
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その時、とても水が飲みたかったからではないでしょうか。 |
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そうです。やぎは、その時、がまんできないほどのどがかわいたのだと思います。 |
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知恵があっても、そういう時には、だれだって、井戸のなかにはいって行くと思います。 |
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けれど、やぎがだまされたのは、のどがかわい時だけではありません。 |
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そのあとでもだまされているでしょう |
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だから、やっぱり、知恵が足りないのだと思います。 |
| [04:15.09] |
わたしもそう思います |
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きつねが背中に乗ると言った時も |
| [04:25.20] |
すぐ、きつねの言うことを聞いて台になってやるなんて |
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やっぱり考えの足りないやぎです。 |
| [04:36.09] |
やぎは、きつねの言うことを、すこしも変だと思わないし |
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なんでも言うとおりになっています、わたしは、こういう性質は嫌いです。 |
| [04:53.20] |
わたしも嫌いです。 |
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わたしは、どんなことでも、自分でよく考えて決めたいと思います |
| [05:04.20] |
もし、わたしだったら |
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背中に乗せてくれと言われたら、はっきり断ります。 |
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ぼくなら、その井戸が浅いか深いかよく調べてみます。 |
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もし、深いようだったら、 |
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きつねに、上がるにはどうすればいいか、 |
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きいてからはいります。 |
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やぎについて、いろいろ意見が出ましたね |
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まだ、そのほかに、考えのある人はいませんか |
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ぼくも、やぎは好きではありませんが、 |
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そんなに考えが足りないのではないと思います |
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このやぎは素直なのだと思います |
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だから、きつねの言うことを、すぐに信じるのです。 |
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こんなに素直なやぎを、二度もだますきつねはとてもひどいきつねだと思います。 |
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ぼくも賛成です。 |
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ぼくは、こんなきつねは大嫌いです。 |
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大谷君は、きつねは知恵があると言いましたが |
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知恵があるのではなく、 |
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ずるいのだと思います |
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それでは、今度は、 |
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きつねについて感じたことを話し合いましょう。 |
| [07:05.01] |
単語イソップ 物語 きつね（狐） 井戸 |
| [07:20.11] |
落ちる どうしても かわく（渇く） |
| [07:28.21] |
やぎ（山羊） 見つける 誉め立てる（褒め立てる） |
| [07:36.80] |
おさまる（収まる、納まる） |
| [07:40.80] |
思い付く 前足 つっぱる（突っ張る） |
| [07:49.81] |
角 やる 背中 引き上げる |
| [07:59.50] |
飛び上がる 踏み台 文句 ふり返る |
| [08:11.00] |
知恵 感じる 大谷 山田 |
| [08:21.08] |
我慢 木村 台 西山 性質 |
| [08:33.10] |
浅い すなお（素直） 信じる 長島 |
| [08:43.28] |
大嫌い ずるい 浦島太郎 浜辺 |
| [08:54.00] |
騒ぐ かめ（亀） 匹 つかまえる |
| [09:03.79] |
転がす たたく（叩く） かわいそう（可哀相） |
| [09:12.80] |
そんなら 買い取る なでる（撫でる） はなす（放す |
| [09:23.30] |
釣 ぴょこんと お辞儀 竜宮 |
| [09:33.49] |
たい（鯛） ひらめ（平目） |
| [09:38.40] |
御殿 通す 玉 貝 眩しい |
| [09:49.69] |
乙姫 いとま（暇） しきりに（頻りに |
| [09:57.89] |
箱 抱える 村 どうかなる |
| [10:08.99] |
煙 すうと 髪 真っ白 |