[00:29.350]君にとってはくだらない「仮説」を語り草臥(くたび)れる影 [00:36.390]囃す瞳には映らない すり抜けた網状の鞘で [00:43.460] [00:43.590]「見えぬなら踏みつけても 誰の心も痛まない!」 [00:50.690]抗いもしない人を 巻して笑ったのは誰? [00:59.320] [00:59.680]宵に惑うほどの童子(わらべ)にもなれず、非情にも生きれない。 [01:06.150]今に手折れる城郭も彼の正義なら 絶えずと、貫くだろう。 [01:14.020]月を飾り知れた人の敗色に 懐かしむ面影を [01:20.700]全て奪い尽くした頃 失くした縁(えにし)を探せど、今さらで。 [01:28.830] [01:36.180]いつの夜からくだらない「仮説」を語る事も無くなり [01:43.110]呼吸さえも忘れて 思い上がる者に刃を向け [01:50.130] [01:50.260]我先と沈みかけた 脆き小舟を降りたがり [01:57.390]誇らかに行く往来で 追想に憂うのは何故? [02:06.070] [02:06.420]誰そ彼に置き忘れていた種々の音が、空蝉に芽吹くように [02:12.870]過去に慰みを探して写し絵を抱けば 誰もが、愚かになる [02:20.720]手を繋ぐ迄で途切れていた記憶は 疵付かない狡さで [02:27.370]何ひとつ戻らないなら 幾重の波折りよ残らずも、攫って。 [02:35.550] [02:49.480]誰しもが本心(ことば)も無く 面を片手に探り合い [02:56.940]訝るも待ち遠しと 愛しくあろうとした。 [03:03.870]……それだけ? [03:05.850] [03:06.000]はらり はらり落ちて行こうわくら葉に、願い事戯れて。 [03:12.450]今は辿れない大空に放つ鳥となれ 憧れ、朽ちてゆくなら。 [03:20.740]末尾まで切り取った場面には 「僕」に似た面影と [03:27.010]喜劇を許し寄り添った影法師ふたつ 見果てぬ、人の夢(たね)。 [03:34.820] [03:35.130]世の器に 咲かせて