透(す)けてゆく青色(あおいろ)落(お)ちてゆく 網膜(もうまく)に模様(もよう)を焼(や)き付(つ)けて 薄闇(うすやみ)に浮(う)かんだ幾何学(きかがく)の 鮮(あざ)やかな形(かたち)が交差(こうさ)する 手(て)を伸(の)ばす 闇(やみ)の向(む)こう 触(ふ)れることのない光(ひかり)がそこにある 手(て)に入(はい)らぬからこそ 人(ひと)は夢(ゆめ)を求(もと)める 都合(つごう)のいい形(かたち)に縁取(ふちど)られた幻想(げんそう) 手(て)に入(はい)らぬからこそ 人(ひと)は心(こころ)を焦(こ)がす 心(こころ)に刻(きざ)むように 降(お)りてくる光(ひかり)は眩(まばゆ)くて 暗闇(くらやみ)の目覚(めざ)めに似(に)た痛(いた)み 突(つ)き刺(さ)さる 虹(にじ)のカケラ 強(つよ)く願(ねが)うほどに心(こころ)は穿(うが)たれてく 幼(おさな)い記憶(きおく)の底(そこ) 見(み)つからないのは あの日(ひ)の僕(ぼく)が手放(てばな)した光(ひかり) 手(て)に入(はい)らぬからこそ 人(ひと)は夢(ゆめ)を忘(わす)れる 都合(つごう)のいい痛(いた)みで美化(びか)してゆく幻想(げんそう) そしてまた想(おも)い出(だ)す そしてまた手(て)を伸(の)ばす 何度(なんど)も何度(なんど)も 繰(く)り返(かえ)すその果(は)てに この手(て)にある世界(せかい)は 無限(むげん)の流砂(りゅうさ)が廻(めぐ)り廻(めぐ)る形(かたち)を成(な)す 何度(なんど)見失(みうしな)っても 何度(なんど)闇(やみ)に落(お)ちても 僕(ぼく)らは夢(ゆめ)を見(み)る