[00:06.64]水切の石みたいに [00:09.75]放り出されたあたしの体 [00:13.38]一度水面を擦めるとそれは [00:17.84]段々と頻度を増して [00:21.92]やがて水中に沈んでいく [00:25.51] [00:26.52]水の中では鰭(ひれ)が生えた [00:30.11]泳ぎ回るあたしの体 [00:33.75]だけど所詮地上の生き物 [00:37.46]水の底は虚しすぎる [00:42.09]上を目指して泳ぎ始めた [00:45.74]水の上へ顔を出した途端 [00:49.44]叩き付ける波があたしを [00:52.65]水中へ押し戻そうとしたけれど [00:57.36]お前が待ってくれてるから [01:00.51]あたしは戻りたいと頑張れるの [01:04.48]今はこの姿見えずとも [01:07.88]必ずいつか地上に帰るから [01:13.65] [01:18.51]幾度となく跳び跳ねては [01:21.75]再出発を試みるけど [01:25.47]いつも失敗落ちては沈む [01:29.10]人はそのたび指さして笑う [01:33.76]下を目指して泳ぐのをやめた [01:37.38]もはや跳ねる力も絶え果てた [01:41.12]笑われたくないという言い訳 [01:44.74]希望は水圧で押し潰された [01:49.14]他の誰もが呆れて [01:52.16]やがてみんな背中を向けても [01:56.40]お前は待ってくれてたのか [01:59.58]あたしにはそうとしか見えなかった [02:03.52]ああ [02:08.95] [02:18.85]このまま沈みこんだなら [02:22.20]伝説にだってなれそうね [02:25.95]それを「許さない」と叫ぶ声 [02:29.77] [02:30.31]お前がいてくれるから [02:32.83]あたしは戻りたいと頑張れるの [02:36.86]今はこの姿見えずとも 必ずいつか [02:44.47]お前が待ってる地上まで [02:47.59]もう幾らもないあとひと泳ぎ [02:51.34]歪んでしか見えなかった太陽の [02:55.65]輪郭を今掴んだ [02:58.95] [03:17.95]